業界初、単独でシステム保護が可能な半導体ヒューズ「BV2Hx045EFU-C」を開発 異常電流からシステムを守り、高信頼のシステム構築に貢献

2019年11月21日 <要旨> ローム株式会社(本社:京都市)は、自動車のエンジン制御ユニットやトランスミッション制御ユニットなど、車載電装システムに搭載されるECU(電子制御ユニット)に向けて、41V耐圧2ch出力のハイサイドインテリジェントパワーデバイス(Intelligent Power Device、以下IPD)「BV2Hx045EFU-C」(BV2HC045EFU-C / BV2HD045EFU-C)を開発しました。 IPDは、電子回路を電気的破壊(異常時の過電流)から保護できるデバイスです。従来保護に採用されるヒューズと異なり、半導体技術により、壊れず・劣化せずに回路を保護できるため半導体ヒューズとも呼ばれ、メンテナンス不要のシステム構築に貢献することができます。 新製品「BV2Hx045EFU-C」は、独自の過電流保護機能により、単独でシステムを過電流から保護できる業界初のハイサイドIPDです。一般品は起動時の突入電流だけに対応し、それ以外の定常電流はマイコンや過電流検出ICなども使って過電流保護を実現していましたが、IPD出力に接続される後段回路との相性で制御不能になる可能性がありました。一方、新製品は、単独で突入電流と定常電流の過電流からシステムを保護できるため、一般品のソリューションと比較して、高信頼かつ部品点数の少ないソリューションを提供することで、より安全なシステム構築に貢献します。また、過電流保護の範囲は、外付け部品で自由に調整できるためさまざまなシステムに使用可能です。 なお、本製品は2019年6月よりサンプル出荷(サンプル価格 500円/個:税抜)を行っており、2020年1月から当面月産100万個の体制で量産を開始する予定です。生産拠点は、前工程がローム株式会社(京都市)、後工程がROHM Integrated Systems (Thailand) Co., Ltd.(タイ)になります。 今後もロームは、高信頼・高機能のデバイスを開発することで、自動車分野の安心・安全やエコに貢献していきます。 <背景> 近年、自動車分野では、電気自動車や自動運転などの技術革新に伴い電子化が進む一方で、より安全な車載システムを構築するために、有事の際に事故のリスクや規模を低減できる機能安全*1の考え方が必要とされています。その中で、ECUのシステム異常時に流れる過電流への対策としては、自身を溶断することでシステムを守るヒューズが採用されていましたが、溶断後のメンテナンスや経年劣化に課題があり、IPD(半導体ヒューズ)の採用が進んでいます。 <新製品の特長> 1. 業界初となる単独の過電流保護で、高信頼システムの構築に貢献 一般的なハイサイドIPDは起動時の突入電流だけに対応し、それ以外の定常電流にはマイコンや過電流検出ICなども使って過電流保護を実現する必要があります。このとき、定常電流の過電流を検出した場合、マイコンのイネーブル信号でIPD出力を制御(ON/OFF)するため、IPD出力に接続される後段回路のコンデンサ容量値によっては、起動時の突入電流で過電流保護の検出・復帰を繰り返してしまい制御不能になる可能性がありました。 一方、「BV2Hx045EFU-C」は、独自の過電流保護機能により、単独で突入電流と定常電流の過電流からシステムを保護できるため、安定してシステムを駆動させ続けることが可能となり、より高信頼のシステム構築に貢献します。加えて、過電流などの異常発生時にマイコンに対してエラー信号を発信することもできるため、システムの機能安全構築にも貢献することができます。 2. さまざまなシステムのECUを保護可能 新製品は、突入電流の保護時間と定常電流の異常電流設定値を、外付けコンデンサと抵抗器の定数を変更するだけで自由に調整することができるため、さまざまなシステムに使用することが可能です。 3. 大幅な部品点数削減が可能 新製品は、独自の過電流保護機能により、単独で過電流からシステムを保護できます。このため、一般品でのソリューションと比較して、最大で7点の部品点数削減と70%の実装面積削減が可能です。 <製品ラインアップ> <アプリケーション例> ■エンジン制御ユニット ■トランスミッション制御ユニット ■アイドリングストップ制御ユニット ■車載ランプ ■油圧サスペンション制御ユニット ■アンチロックブレーキシステム などに搭載される車載電装システムのECU保護に最適です。また、切り替え音の発生しない半導体スイッチとして、リレー(回路の切り替え)用途にも幅広く使用可能です。 <用語説明> *1) 機能安全 機能安全とは、「監視装置や防護装置などの付加機能によるリスク低減策」であり、安全方策(安全を確保するための考え方)の1つである。自動車分野における機能安全は、電子システムの故障などにより機能不全が発生した場合に、人体への危害を発生させないようリスクを受け入れられるレベルまで減らして安全にすることである。 この件に関するお問い合わせはこちら

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