NXP「i.MX 8M Nanoファミリ」に最適なパワーマネジメントIC「BD71850MWV」を開発

2020年2月3日 <要旨> ローム株式会社(本社:京都市)は、NXP® Semiconductors (以下、NXP社)のアプリケーション・プロセッサ「i.MX 8M Nanoファミリ」に最適な高効率パワーマネジメントIC(以下、PMIC)「BD71850MWV」を開発しました。 NXP社の「i.MX 8M Nanoファミリ」は、演算能力と省電力性能、音声・音楽の処理に優れたアプリケーション・プロセッサです。 「BD71850MWV」は、これまでロームが培ってきたプロセッサ向け電源技術を駆使して、プロセッサに必要な電源系統(パワー・レイル)と機能を集積化したPMICです。最高電力変換効率95%の高効率DC/DCコンバータ*1をはじめ、システムに必要な電源や保護機能を1チップで供給すると同時に、最適な電源管理を行うON/OFFシーケンサーを内蔵しているため、小型化はもちろんのこと、アプリケーション設計を容易にして、開発期間の大幅な削減に貢献します。また、NXP社が提供するi.MX 8M Nanoプロセッサの評価キットに搭載される唯一※のPMICとして、プロセッサに対する動作をすぐに評価することができます。 ※2020年1月 ローム調べ なお、本製品は2019年12月から月産40万個の体制で量産(サンプル価格 800円/個:税抜)を開始しています。生産拠点は前工程がローム浜松株式会社(浜松市)、後工程がROHM Electronics Philippines, Inc.(フィリピン)となります。 今後もロームは、省電力化やシステム最適化を実現する製品・ソリューションを開発し、社会に貢献していきます。 <背景> 近年、IoT技術の発展により、電子機器にはボイスコマンドやストリーミングオーディオのように、ユーザーとのインタラクション(対話・相互作用)が求められるようになっています。 NXP社のi.MX 8M Nanoアプリケーション・プロセッサは、最大1.5GHzで動作する最大4個のArm® Cortex®-A53コアと、低消費電力のスタンバイ向けに最大750 MHzで動作するArm Cortex-M7コアを搭載しています。また、高度なオーディオ機能、高速インターフェースなどにも対応しており、幅広い民生機器や産業機器アプリケーションに向けて省電力かつ高性能なソリューションを提供します。 ロームはNXP社のi.MX 8Mファミリに最適なPMICを開発しており、2018年に「i.MX 8M ファミリ」に最適なPMIC「BD71837AMWV」、2019年に「i.MX 8M Miniファミリ」に最適なPMIC「BD71847AMWV」をリリースしました。今回、先進プロセスを採用して省電力性能も備えた「i.MX 8M Nanoファミリ」に対して、新しいPMIC「BD71850MWV」をリリースすることで、i.MX 8M シリーズすべてのアプリケーション・プロセッサのパワーマネジメントをサポートします。 <新製品の特長> 1. i.MX 8M Nanoアプリケーション・プロセッサに必要な電源機能を1チップで簡単に実現 「BD71850MWV」は、i.MX 8M Nanoアプリケーション・プロセッサの電源系統に合わせて電源回路を設計しており、制御ロジック、降圧DC/DCコンバータ(Buck Converter)6ch、LDO*2 6chを集積し、プロセッサだけでなくアプリケーションで必要とされるDDRメモリにも1チップで電源供給が可能です。加えて、SDXCカードインターフェース用1.8V/3.3Vスイッチ、32.768kHz水晶振動子のバッファ、さまざまな保護機能(電源系統ごとの出力短絡、出力過電圧、出力過電流やサーマルシャットダウン)を内蔵しています。 最高電力変換効率95%の降圧DC/DCコンバータを搭載し、入力電圧は1セルのLi-IonバッテリーからUSBまで幅広い範囲(2.7V~5.5V)で動作することができるため、i.MX 8M Nanoプロセッサが適用される分野に最適なPMICとなっています。 さらに、BD71850MWVを簡単に評価できる環境も取り揃えています。 ① Linuxドライバ準備済みで、アプリケーション開発時間を短縮 ロームからは、BD71850MWVのLinuxドライバをはじめ、設計の際に必要な周辺アプリケーションに関する設計ガイドライン、リファレンス回路・レイアウトを提供しており、アプリケーション開発時間を短縮し、タイムリーに市場へ製品をリリースすることができます。 Linuxドライバやドキュメントについては、下記URLよりご覧ください。 https://www.rohm.co.jp/web/japan/products/-/product/BD71850MWV ② i.MX 8M Nano EVKに搭載済みで、すぐに評価可能 NXP社からは、BD71850MWVを搭載したi.MX 8M NanoプロセッサのEvaluation Kitが提供されており、i.MX 8M Nanoプロセッサに対する動作をすぐに評価可能です。 2. 小型パッケージに集積し、42%の省スペース化を実現 1つの小型QFNパッケージ(7mm x 7mm, 高さ1mm Max, 0.4mm pitch, 56pin)で必要な電源機能を供給すると同時に、PMICの端子配置はi.MX 8M Nanoアプリケーション・プロセッサとDDRメモリへの接続が容易になるように考慮されており、基板レイアウト設計時の負荷軽減に貢献します。新製品と同じ電源系統をディスクリート部品で構成した場合に比べて、部品点数を42個、実装面積を42%削減することが可能です(片面実装、Type-3 PCBを想定した場合)。また、両面実装にするとわずか400mm2以下の省スペースで電源機能を構成することも可能です。 3. システムの用途に合わせたカスタマイズが可能 新製品には、アプリケーション設計を柔軟にするために、パワーモード(RUN、IDLE、SUSPEND、SNVS、OFF)に対応したシーケンサーを搭載しています。I2CインターフェースとOTP(One Time Programmable)ROMを通じて、システムが求める機能やメモリの種類に合わせて、各電源の出力電圧やON/OFF制御、保護機能の有効・無効、さらにはパワーモードの遷移条件をカスタマイズすることで、用途に合わせて最適なアプリケーション設計を実現できます。 <新製品の機能概要> 入力電圧2.7V ~ 5.5V 降圧DC/DCコンバータ x 6ch、LDO x 6ch SDカード駆動用パワーマルチプレクサ搭載 32.768kHz 水晶発振回路内蔵 多彩な保護機能搭載(ソフトスタート機能、パワー・レールエラー検出、過電圧保護、過電流保護など) I2Cインターフェース対応(Max 1MHz) 割り込み機能(マスク機能付き) <用語説明> *1) DC/DCコンバータ DC/DCコンバータは、電源ICの一種で直流(DC)から直流へ電圧を変換する機能を持つ。一般的に電圧を下げる“降圧”、電圧を上げる“昇圧”が存在する。 *2) LDOレギュレータ (Low Drop Out レギュレータ / 低飽和レギュレータ) 入力と出力の電圧差が低く、リニアレギュレータ(入出力電圧が線形動作する)と言われる区分の電源ICに該当する。DC/DCなどのスイッチングレギュレータと比較して、回路構成が簡単でノイズが少ないなどの特長を持つ。 この件に関するお問い合わせはこちら

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