MOSFETとIGBTの良特性を兼ね備えた新型トランジスタ「Hybrid MOS」を開発 大電流から小電流まで、フルレンジでの省エネ化が可能

2013年4月2日 <要旨> 半導体メーカーのローム株式会社(本社:京都市)は、サーバー電源、産機、省エネ家電などの電源やPFC回路向けに新しいデバイス構造を採用することで、機器の大幅な省エネ化に最適な高耐圧新型トランジスタ「Hybrid MOS」を開発しました。 この新型トランジスタでは、スーパージャンクションMOSFETとIGBTのデバイス構造を融合させることにより、MOSFETの高速スイッチング特性・低電流性能とIGBTの高耐圧特性という両方の良特性を兼ね備えることに成功しました。これにより、大電流時から小電流時までフルレンジでの省エネ化が可能となります。 なお、本製品は2013年夏頃にサンプル出荷を開始する予定です。 <背景> 近年、省エネ化の動きが加速する中で、省エネ法の改定により、家電製品はより使用実態に近いエネルギー消費効率を示すAPF(Annual Performance Factor)を表記する傾向にあり、定常運転時における省エネ化の動きが高まっています。通常、高効率な機器を実現するためには電源の高効率化が必要なため、省エネ機器などのPFC回路においては、高速スイッチングや低電流性能にメリットがあるスーパージャンクションMOSFETが使用されていました。 一方で、高温・大電流性能が必要となる産機など、ハイパワー化する省エネ機器分野のPFC回路では、スーパージャンクションMOSFETでは対応できずIGBTが搭載されていましたが、効率面での課題を改善する必要がありました。 <新製品の詳細> 今回、ロームはスーパージャンクションMOSFETで培った技術を活かし、ウエハ裏面を制御するという新しい構造を採用することで、スーパージャンクションMOSFETのメリットを維持したまま、高温・大電流性能の向上を実現しました。これにより、 定格保証域が向上しただけでなく、高速スイッチング、低電流特性を含めたすべての特性において高性能が保証できるため、応用機器範囲も広がります。 また、従来高温・大電流性能を必要とし、IGBTを使用していたハイパワー分野においても、高速スイッチングや低電流の メリットが提供できるため、機器の大幅な省エネ化にも貢献できます。 今後は、新構造トランジスタ「Hybrid MOS」のラインアップを拡充することで、各種機器のさらなる省エネ化に貢献していきます。 <特長> 1. 低電流域から定格保証域までをカバーし、機器の大幅な省エネ化に貢献 デバイスの採用には定格保証域をクリアする必要がありますが、ウエハ裏面を制御することで、高温・大電流時をアシストすることに成功。IGBTと同等の性能を実現し、瞬間的に流れる大電流にも対応します。 2. スーパージャンクションMOSFETとIGBTに比べ、すべての特性において高性能を実現! <用語説明> スーパージャンクション MOSFET 3次元的な空乏層の広がりを利用して従来よりも低損失化を実現したパワーMOSFET。 IGBT(Insulated-Gate Bipolar Transistors) MOSFETとバイポーラトランジスタを複合化させ、それぞれの特性を活かしたトランジスタ。 PFC回路(Power Factor Correction) 電子機器に搭載された電源(スイッチング電源)で発生する電流のみだれをある制限値以下に抑える回路。 APF(Annual Performance Factor) 通年で家庭用エアコンを使用した際のエネルギー消費効率。数値が大きければ大きいほど省エネ性が高い。

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