発表日:2012-04-06 <要旨> 半導体メーカーのローム株式会社(本社:京都市)はこのほど、モバイル機器やアミューズメント機器などの用途向けに、リフレクタ付3色発光タイプとしては、業界最小※となる1.8×1.6mmの小型高輝度チップLED「 MSL0301RGBW」「MSL0401RGBW」を開発しました。 3色発光タイプのLEDは光の3原色RGBそれぞれの発光素子を1パッケージに搭載したもので、白色をはじめフルカラーでの発光が可能です。 ロームでは、リフレクタ付タイプの高い集光性・輝度を保持したまま、業界最小サイズを達成。また発光素子の距離を近づけることにも成功し、表現力アップには欠かせない高い混色性も実現しました。これにより超精細でありながら、高輝度でのLEDマトリクスの生成も可能となり、アミューズメント機器における表現力アップに貢献します。 本製品は11月からサンプル出荷(サンプル価格50円/個)を開始しており、2012年5月から月産300万個の体制で量産を予定しています。生産拠点は、ROHM-Wako Electronics (Malaysia) Sdn. Bhd.(マレーシア)となっています。 ※4月6日現在 ローム調べ <特長> 1)発光素子の高密度化による高い混色性 リフレクタケース付で、横方向への光漏れがなく、 正面の光度を大きく向上。小型パッケージにより 素子同士の距離が短く、混色性も優れた製品です。 2)リフレクタ付3色発光タイプLEDとして業界最小 リフレクタ付チップLEDとしては業界最小クラスの 1816サイズで、実装面積も大幅に削減。 3)クラス最高輝度を実現 4)リフレクタとピン数の種類を2種類ずつ取り揃え、幅広いニーズに対応 「MSL0301RGBW」 : 4pin / 「MSL0401RGBW」 : 6pin <背景> 近年、フルカラーでの多彩な表現が可能なLEDは、ライトアップやデザイン性が求められる各種サイン、デジタルサイネージなど、幅広い分野への展開が大きく期待されています。 ロームでは、これまでも超小型モールドタイプの「PICOLEDR-RGBシリーズ」や高輝度リフレクタ付タイプの「SRGBシリーズ」を提供し、携帯電話の文字やアミューズメント機器のキャラクター表現などに重宝されてきました。しかし、各種機器の小型化、高機能化が進むにつれ、更なる表現力アップのため、より高輝度で混色性の高い小型3色発光LEDの開発が望まれていました。 <新製品の詳細> 今回ロームが開発した「MSL0301/0401RGBW」は、「PICOLED®」シリーズで培った小型化技術を駆使し、リフレクタ付タイプの高い集光性・輝度を保持したまま、業界最小サイズとなる1.8×1.6mmを達成。独自の配線パターンにより発光素子の距離を近づけることに成功し、表現力アップには欠かせない高い混色性も実現しました。 ロームでは、得意のパッケージ技術を活かした小型LED製品のラインアップを拡充しております。また、上質な光で表現力豊かな演出を可能にするロームのLEDはライトアップなど大型の施設でも数多く使用いただいています。今後も、モバイル機器からライトアップまで、さまざまなニーズに応えるLED製品ラインアップの拡充を進めてまいります。 <仕様> 品名 素子 材質 発光色 絶対最大定格 (Ta=25℃) 電気的光学的特性 (Ta=25℃) 許容損失 PD (mW) 順方向 電流 IF (mA) 順方向電流 IFP (mA) 逆方向 電圧 VR (V) 動作温度 Topr (℃) 保存温度 Tstg (℃) 順方向 電圧 VF 逆方向 電流 IR 発光波長 λD 光度 IV Typ. (V) IF (mA) Max. (µA) VR (V) Min.*2 (nm) Typ. (nm) Max.*2 (nm) IF (mA) Min. (mcd) Typ. (mcd) IF (mA) MSL0301RGBW (4端子) MSL0401RGBW (6端子) AlGaInP 赤 104 40 100*1 5 -40 ~ +85 -40 ~ +100 2.1 20 10 5 618 624 630 20 220 400 20 InGaN 緑 120 30 3.4 100 519 527 536 360 550 青 114 3.3 464 470 476 90 180 *1 : Duty1/5, 1kHz *2 : 参考値 <<ご参考>> イルミネーション、ライトアップ、LEDマトリクスなどでも活躍するロームの「リフレクタ付3色発光タイプLED」 品名 SMLV56 SMLV36 SMLW56 写真 サイズ 3.5×2.8(t=0.6) 3.5×2.8(t=0.6) 7.9×5.0(t=1.1) ロームでは、今回の「MSL0301/0401RGBW」以外にもリフレクタ付き3色発光タイプのチップLEDを提供しています。 小型でありながら高輝度で高混色性を誇り、イルミネーションやライトアップ用途で細やかな色調整が可能なため、お客様にも喜んでいただいております。今回は、自社のイルミネーションを含む、採用例の一部を紹介します。 ロームは、1973年のLED発売以来、長年蓄積してきたLEDの技術を活かしたライトアップが大阪や京都をはじめ、世界のさまざまな場所で光り輝き、美しい都市空間づくりに貢献できることを期待しています。 【採用例】 ローム京都駅前ビルのライトアップ 「京の光暦(ひかりごよみ)」 全館で自社製のLED照明を使用する等、2010年に全面リニューアルした京都駅前ビルで実施しているライトアップ。ビル正面の壁面にローム製フルカラーLEDや色温度の微調整が可能なLEDモジュールを縦横に組み合わせて設置し、障子を通したような優しく柔らかな光を実現しました。季節に合わせて色温度を微妙に調整することにより、日本の繊細な季節感を表現し、京都の街並に調和するデザインとなっています。 なお、「京の光暦(ひかりごよみ)」と名付けたライトアップのデザインは照明デザイナーの石井幹子氏によるもので、「日本の文化」と「京都の伝統」をイメージしています。(ご参照サイト) (「光暦(ひかりごよみ)」は石井幹子デザイン事務所の登録商標です) ●採用製品: SMLV56、SMLW56ほか 点灯イメージ 大阪・通天閣ネオン(日立製作所 様) 通天閣は、通天閣観光株式会社が運営する大阪のシンボルといえる施設で1956年に再建されました。通天閣ネオンは、1957年から日立製作所様が掲出されているもので、5~6年のサイクルでリニューアルを実施されてきました。このたび12回目のリニューアルにあたり、ネオン管の大部分をLEDに切り替えられ、消費電力を約半分に低減するとともにフルカラーLEDの採用で多彩な色を駆使したライトアップを目指されます。このLEDの一部にロームのチップLED「SMLV56」を約40,000個採用いただきました。 ●採用製品: SMLV56 中国・清華大学 「清華ローム電子工程館」 ロームと中国・清華大学は、2006年より包括的産学連携契約を締結し、さまざまな共同研究を行ってきました。 2011年4月には、清華大学の創立100周年記念にあわせて「清華ローム電子工程館」を竣工。地下3階、地上11階 延べ床面積約33,000m2の規模を持ち、清華大学電子工学部の研究施設や教室として活用されるほか、ロームと清華大学との共同研究スペース、国際交流センター、学会などの学術発表や各種イベントを開催できるホールなど、充実した施設を持ち、清華大学における学術研究のみならず、学外の企業・大学・研究所などとも広く連携できる場として活用、世界的な先端技術情報発信の拠点となることが期待されています。 同館の1階エントランスに設置された巨大LEDドットマトリクス(5.76m×1.92m)には、32万2000個ものチップLEDが採用されています。高精細の表示が可能なため、各種イベントの告知のほか、学校紹介映像の上映などにも活用される予定です。 ●採用製品: SMLV36
この記事の重要度
星をクリックして評価してください。
Average rating / 5. Vote count: